制約から生まれる世界

本来のターゲット層の保護者が、ご自身の子どもさんに対して見せたくない場面や聞かせたくない言葉を徹底的に排除してきたというのは、「伝説の戦士」が登場するシリーズで代々受け継がれてきた原則。
蒼乃さんが水泳をしたり、「告白」のくだけた言い方をした件。花咲さんがいつも「キレ」る件は大丈夫でも、尻相撲みたいな技を出した件について。ことの真偽はともかくとして、これらの表現でさえ問題視されているようです。

もっとも、このシリーズは関連商品を売るための「宣伝枠」でもありますので、裏心が全くないわけではないでしょう。しかし、それらの制約条件をクリアした上で制作サイドの主張を盛り込むというつくり方をしているように見えますので、それだけ内容が濃厚に。このことが、本来のターゲット層だけではなく、保護者等も作品の世界に引き込まれていく要因になっているのだと思います。

しかし、現在気になっているのが、「10周年」と銘打って、本シリーズの歴代作品をモチーフにした関連商品が増え、商売っ気が露骨になりつつある件。こういうことはないと信じたいですが、商品を売りたいがために、作品の本質が変わってしまうようなことだけは避けていただきたいものです。