佐久間の「鉄道公園」

cjrc_mus
名古屋市港区にあるレールウェイ・パーク「リニア・鉄道館」。この地区にある旅客鉄道会社で使用されていた車両などが多く収蔵されていますが、その中には、かつて佐久間にあった「佐久間レールパーク」で展示されていた車両も数多く存在します。

srp
「佐久間レールパーク」は、1991年から2009年まで、飯田線の中部天竜駅に隣接して設置されていた、鉄道車両等の展示施設。
srp02
基本的に土休日のみの開館であり、かつ専用の自動車駐車場も特に設置されていなかったため、気軽に訪問しづらい面はあったかと思います。
ctr01
中部天竜駅の構内にこのような保線用の機械が置かれていたりすることはあるようですが、保線用なので送迎には使用されていません。

ed112
ここのよいところは、太陽光線の下で車両を見ることができたということ。一方で、太陽光や降雨による車体の劣化との戦いもあったと思います。
こちらは、輸入により導入されたED11形電気機関車。

kiha11
展示車両のうち、前述の「リニア・鉄道館」への収蔵が決まっていた車両を中心に内外装の整備が行なわれており、きれいな状態になっていました。
こちらは、国鉄のキハ11形気動車(展示車両の車両番号は、1957年の称号改正以前のものに戻されている)。
kiha11in
また、「佐久間レールパーク」のクロージングまでの間、期間を区切って車内へ入れるという催しが行なわれていました。
こちらは、国鉄のキハ11形気動車の車内。

moha52_1
こちらは、飯田線で使用されていた時代の姿から、登場当時の姿に近づけた状態で展示されていたモハ52形電車。「リニア・鉄道館」への収蔵時に、乗務員室扉を撤去するなど、更に登場当時の姿へと戻されています。
moha52_2
モハ52形電車の連結面をゆったりと見ることができたのも、ここにある間だけでした。
ちなみに、奥に見えるのは181系気動車。
kiha181-1
晩年は四国地区で使用されていたものを、中央本線の特急「しなの」号で使用されていた当時の姿に戻した状態になっています。

kuya165
一方で、「リニア・鉄道館」の選外になってしまった車両も存在します。
これは、かつて「教習車」として使用されたクヤ165形電車。

ed6214
飯田線で使用するために用意されたED62形電気機関車も、収蔵が叶わなかった車両。軸重を減らすために追加された中間台車が特徴的だった車両です。

mc12054
晩年は飯田線のイベント列車として使用され、「リニア・鉄道館」に収蔵された車両がある一方で、こちらのクモハ12形電車はこの形での収蔵が叶わなかった車両。
mc12054in
同車両の内部。これと同型の車両は、かつて鶴見線の武蔵白石駅と大川駅の間で使用されていました。

so_chiki
忘れられがちですが、事故等が発生した際の重機として使用された「操重車」も、片隅に展示されていました。

0in
その他、変わった展示といえば、0系新幹線電車の先頭部分がカットモデルとして置かれており、運転台部分を見ることができました。

20000km
展示車両に残されていた、国鉄全線乗りつぶし「競技」の広告。

クロージング後に名古屋の展示施設へ移転した車両、他の施設へ引き取られて保存されるもの、現地で姿を消したものなど、いろいろあります。
mc1195101
しかし、飯田線ゆかりのものが残されなかったというのは少し残念なところですね。

ctr02
こういうものは、意外と現役で長く残るのですが……。