現地情報の調べ方

たとえば、台湾の台湾鉄路管理局で使用されているEMU700形電車についての情報を、オンライン百科事典で調べてみたとします。

emu700

【「ウィキペディア フリー百科事典」当該ページへのリンク】
日本語のページ
中文のページ

「わたし、中国語がわからないし、各国語版があるから日本語版でいいや」と思った方。それは、大事なことを多く見落とす結果につながります。

たとえば、「ドアチャイム」という項目。本記事投稿(2014年6月)時点において日本語版は「開閉前にアナウンスが流れる」と書いてありますが、中文版は「時短のためにブザーに変更し、アナウンスは取り消し」と書いてあります。
「到着駅案内」も、日本語版は「日本の鉄道会社の発車メロディが使用されている」とありますが、中文版は「権利の問題で、オリジナルのメロディに変更」となっています。

さらに興味深いのは、緊急時にドアを開けるための操作器具についてのくだり。日本語版では一切触れられていませんが、中文版では「『コック』は『バルブ』『ハンドル』に表記を改めた」とあります。この表現より、「世の中には『コック』では勘違いすると思う人もいる」ということに気づくことができます。

趣味的には、中文版に「EMU733-734は、台湾の車両メーカで電気制動の改造工事を実施し、電制優先となり、その音が明確になった」という一文が気になります。偶然記録したEMC734の音を聞きなおすと、確かに制動開始時の音が変わっていることを確認しました。

そういうわけで、たとえその言語がわからなかったとしても、単語のつなぎ合わせで現地語の内容を拾い読みすると、新たな発見につながることもありますので、興味のある方はぜひ一度お試しください。