CDを洗ってみた

本所で取りあげているのは、いわゆるハイレゾリューション音源を再生するための施策ではなく、いかにしてCD-DAの内容を「鮮度よく」保存するか。今回、それに効果があると思われる施策を試しましたので、紹介します。

liquid
今回、音源吸出し前にこの液体を用いて、信号読み取り面を洗浄しました。たまたま手元にあったので使用しただけですが、単にコーティングしてしまうものよりは、表面の洗浄をメインとしたかったため、目的に合ったという判断もしています。

洗浄の方法は、以下のとおり。

(1)説明書のとおり、信号面に2から3押し分の液体を塗布します。
(2)ファイバークロスで説明書のとおり表面を拭きます。
(3)水拭きを続けていると、なんとなくヌルッとした手触りになりますので、すぐに別のクリーニングクロスで水分を拭き取ります。
(4)【重要】拭き取り後、更に別のクリーニングクロス等を用いて、表面がスベスベになるまで残渣を拭き取ります。

保護膜を乗せるというよりは、表面に付着していると思われる離形剤や、その他の汚れを除去するのが目的です。そのため、上記(4)の工程をおろそかにすると、得られる音の傾向は「低域がこもり、高域が詰まる」ようになってしまいます。

では、ディスクの表面はどうなったのか?

before
これが拭き取り前。
after
これが拭き取り後。

正直なところ、この画像で違いを見つけるのは難しいと思います。しかし、肉眼で見ると「鋭い輝き」が「暖かな輝き」に変わったことがわかります。

で、得られた音はどうなのか?

拭き取り前は「低域が出ず、高域がきつい」傾向にありましたが、拭き取り後は「低域が伸び、高域もきれい」という傾向に変わりました。

オーディオ関係のメディアやウェブ上の情報を見ると、CD-DAの音が劣化するのは「帯磁」「レーザ光による反射面の劣化」などが原因とする記述を見かけることがあります。確かにそれらも理由の一つであるのかもしれませんが、開封してすぐのときは好みの音だが、時間の経過とともに眠い音になることや、信号面の洗浄だけで得られる音の傾向がガラッと変わることから考えると、目では気づかないレベルの表面汚れが原因の一つであり、それを除去する施策は意味のあることだと判断します。