「まほうの小箱」は万能でない

前回の記事でも触れたnano iUSB3.0ですが、しばらく使用してその傾向が見えてきましたので、他のウェブログやウェブサイトとは違う観点から所感を記してみます。
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これを入れると、入れる前に比べて「音の分解能」が高くなったように聞こえます。たとえば、合奏している楽曲の楽器ごとの音が明確になるイメージ。しかし、「効果がある」と考える人と「効果はない」と考える人が出るのはなぜでしょうか?

当初、本ウェブログ管理者も「nano iUSB3.0でUSB信号を再生成(リクロック)しているから、入力される信号の影響は除去される」と考えていました。ところが、導入後に感じたことは「音の分解能は高くなったが、それ以外は今までと同じだ」ということ。
つまり、過去に実施してきた「一次電源の取り方とプラグ差込み極性合わせ」や「USBケーブルの(主に構造的な)品質、および引き回し方」、「ケーブルの『へそ』にテープを巻く」などの施策は引き続き有効であることが見えてきました。また、吸出し時のディスクドライブ速度倍率の高低により影響も如実に現れます。言い換えれば、「分解能が上がったが音がこもる、低域が出ない、中域が抜ける、高域が耳に刺さる」ということが発生し得るいうことであり、それらを実際に経験したため対処に苦労しました。

困ったことに、この影響が吸い出したデータ保存先のNASや、持ち出して使用する際のポータブルプレーヤーにまで伝わってしまいます(デジタルなので、そういう影響は皆無だということになってくれれば一番楽なのですが……)。中には「理論的にありえない、説明できないからplaceboだ」といって聞く耳を持たない人もいると思いますが、音の傾向を感じ取れてしまう方はまず機器とケーブルのセッティングを見直してみると効果が大きいと思いますので、お試しいただければと思います。

【追記】
本件につきましては、併せて電源アダプタの「極性」についての考察もご参照ください。