それでも前へ向かって歩いていく

たとえこの世に「支配者」のような人物が現れたとしても、その人が導く「運命」に飲み込まれるのではなく、自分たちの力を結集して、自分たちのための世界を変えていく。
その「支配者」が力を揮うことにより自分たちの世界が分裂し深い谷が生まれたとき、自分たちが「もう一度一つの世界に」と心に願い強く思わなければ、外部の力で一つにしようとしても再び分裂してしまうだろう。

相手のことを考え、手を取り合う世界が「自分がよければそれでいい」と考える勢力に飲み込まれていく現代社会を踏まえて今回の話を見ていくと、今我々が何をしていくべきなのかというものを考えさせられるのではないでしょうか?

ところで、東京・大阪間を移動するために要した時間ですが、
明治時代は一日弱
1930年代に約八時間
1960年頃は約六時間半
1964年の東海道新幹線開業で約四時間
2000年には約二時間半
航空機で羽田・伊丹間は約七十分
将来の磁気浮上式鉄道(リニア)開業で約一時間
と、技術の歩みにより「時間的距離」はどんどん短くなっています。

リニアと言えば、現実世界よりも先に実用化された?あのカタツムリニア(ただし磁気浮上式ではない)。本体の「改良」により客車四両編成で二つの世界を超高速で結べるようになったのかもしれませんし、数年くらいかけて「はーちゃん」が二つの世界の位置関係を修復した結果往来が回復したのかは不明ですが、いずれにせよ前に向かって歩いていかないと「できなかったことができるようになる」ことはないでしょう。

第四十九話に描かれなかった、十六夜さんの「その後の成長記録」。逆に描かれなかったことを利用し、各自で「十六夜さんはその後何をし、どのように成長したのか?今までの経験がどのように活かされてきたのか?」ということを考察すると、今期のシリーズを振り返ることができ、より深く味わうことができるかもしれません。