台中のBRT

本記事作成時点において、日本でBRTといえば、BRTと称して運用している路線の実情から、名目上の鉄道代替交通機関、または、再び鉄路となる可能性を奪ってしまう存在のように、後ろ向きなイメージで語られることが多いと思います。


趣のある台中車站(ただし、高架化工事は鋭意実施中)。この駅前から発車する、台中のBRT(Bus Rapid Transit)は、それとは全くの別物のようです。

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2014年7月27日から乗客を乗せての運用が開始となった、台中のBRT。これは駅前に設置されたBRTの「駅」。のりばには、乗車票の自動販売機と改札機(おそらくトークン式)が設置されており、車両自体には運賃収受の設備はないようです。これにより、運用中の車両が車内での運賃収受で遅延するということはなくなります。

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これは、7月27日の運用開始から使用を開始した途中「駅」。

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ただし、完成した「駅」はまだ少数であり、乗降可能な場所も限られているなど、完全な形態とはなっていないためか、とりあえず、8月9日までは完全無償で乗車可能となっていました。それ以降も、1年間はICカードを使用して無償で乗車が可能となる模様です。そういう点から、事実上の一般大衆参加型試運転のように感じます。

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途中駅に停車中のBRT用車両。無軌条のトラムといった趣があります。

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また、乗車口にはスライド式のドアが設置されており、車両が停止位置目標に合わせて停車すると開閉するような構造になっています(ただし、本記事作成時点で未使用)。

このほか、BRT専用レーンやBRT優先信号等の整備もされているようですが、それらはまだ工事中であったほか、BRT車両も一般車のレーンを走行していました。

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使用している車両も、専用の連接車となっています。どの車両も同じ外観・形態ですが、実際は複数の会社がこの路線で使用する車両を運用しています。

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連接部を内部から見た状態。これだけを見ると、鉄路の連接式LRTのように見えます。

(2020年2月12日追記)
台中のBRTシステムは2015年7月7日で廃止され、当時導入された車両を含めて、新たなバス路線として再編されています。
(追記ここまで)

(2020年2月18日追記)
追加の記事を掲載しました。(リンク先を新しいタブ・ウィンドウで開きます)
(追記ここまで)