「けもの」ってなぁに?


2017年8月現在、一部で話題騒然の?書籍。タイトルに「け も の」(文字間にスペース入り)と入っているのですが、目次を見ると「けものではないもの」も三分の一程度含まれていることがわかります。
(そもそも、オビには「かわいい動物 42種」と書いてある)

そこで疑問に思うのが、「けものってなぁに?」

国語辞典等で調べてみると、「けもの」というよりは「けだもの」。漢字では「獣」を当てています。その定義を見ると、

  • 全身に毛が生えている。
  • 四足歩行する。
  • 以上の条件を満たす哺乳動物。

ということのようです。

これより、

  • 鳥類は哺乳類ではないし、四足歩行しないので、「けもの」ではない。
  • 爬虫類はそもそも哺乳類ではないので、「けもの」ではない。
  • ヒトは哺乳動物だが四足歩行しないので生物としての「けもの」ではない。ただし、人間らしい心を持たないヒトのことを「けだもの」と罵ることがある。

という考察をすることができます。

もう少しいうと、2017年に入ってから話題騒然となった某メディアミックスプロジェクト。この定義を厳密に当てはめると、「アライグマ」は「けもの」としての定義を満たしていますが、「アライさん」は二足歩行をしているため定義を満たさないことになってしまいます。しかも「(一度自覚すれば)毛皮が取れる」という設定になっているため、その点でも定義を満たしません。
もちろん、ペンギンさんたちも前述のとおり「けもの」としての定義を満たしません(たとえば「フンボルトペンギン」としても、「フルル」としても定義を満たしていない)。
とりあえず、そのへんは緩めの解釈をするということで……(騒ぐほどのことでもないか)。

そういう知識を得て「賢く」なった上でこの書籍に目を通したり、メディアミックスプロジェクトの内容を楽しんだりすると、より深くそれらのものを味わうことができるのではないかと思います。