勝手にADC~名古屋市の動植物園

名古屋といえばそれなりに大都市。名古屋市交通局の地下鉄で行ける場所にある動植物園はどうなっているのか、本所的な角度で見ていこうと思います。

(以下、画像多めのページとなります。従量制の通信料がかかる環境でごらんの方はご注意ください。)

名古屋市東山動植物園

  • 1937年に開園
  • 動物園エリアは「本園」と「北園」に分かれている
  • 愛知県名古屋市
  • 通常時は月曜日以外の午前九時開園、入場料は大人500円



動植物園で展示生物のバリエーションとして「亜種」を展示する場合もありますが、こちらは「アジアゾウ」(前者)と「アフリカゾウ」(後者)の両方を飼育・展示。そのため、両者を実際に見て比較することができます。


ゾウの次はヤギ、ではなく「アミメキリン」。こちらも柵などで遮るものがなく、広々とした環境での行動を観察することができます。


「ライオン」は相変わらず?おとなしくしている場面を見ることが多いような気がします。



こちらの特色展示で有名なのが「コアラ」たち。基本的におとなしくしている場合が多いのですが、時にはこのようにアクティブなコアラの姿に出会えるかもしれません。
ちなみに、コアラはIUCN: VU(VULNERABLE)なので保護が必要な動物です。

こちらの動植物園では、比較的近くで動物を観察できる施設がいくつかあります。

「バードホール」と呼ばれるケージに入り、通路から地面にいる鳥類を観察。


「小鳥とリスの森」と呼ばれる施設では放し飼いされている「ニホンリス」を探し出して観察(見つける努力をしないと観察できない)。

「アカカンガルー」も、カンガルーでおなじみの地元運輸会社の協賛を受けて自由に?暮らしています。

そう、こちらでは企業の協賛により展示施設が整備されたり、エサ代の一部を賄ったりしているものが意外と多いのです。先ほどの「コアラ舎」も印刷機やミシンなどで有名な地元企業の協力で整備されているほか、こんなところでも協賛が。


比較的、というかふれあいレベルで観察可能な動物の代表格?である「ヤギ」は、こちらの動植物園にもいます。


「オグロプレーリードッグ」は透明板越しになりますが、動き回る姿を観察可能であります。幸い、頭が穴にはまって動けなくなっている姿は見かけませんでした(野生の世界でそれをやったら命取り)。


一方でペンギンのいる池。日本の動物園等でおなじみの「フンボルトペンギン」のほか、「イワトビペンギン」もこちらで見ることができますが、野鳥等からの感染症を警戒してか全面に網が張られていたのが残念です。


動物園の敷地はじっくり回るのに一日かけられるほど十分広いのですが、それに加えて爬虫類館と夜行性動物館の機能を併せ持った「自然動物館」もあり、そこはそれだけで独立した施設になれそうな規模。

ここには「ケイマンイワイグアナ」という生物もいるのですが、この個体はワシントン条約に反して輸入されたものを保護したという経歴があるので、素直に「珍しい」とは言えない面があります。

では、このへんで「近代的な動物園とは?」という点について考察してみます。

今までの動物園が「檻とコンクリート」のイメージだとしたら、近代的な動物園は「開放的」がキーワードだと考えます。たとえば、檻の代わりにガラスや透明樹脂の窓を使用して距離を近づける方法があります。

動物の特性に依存しますが、堀などを使用して外部との距離を稼ぐことによって檻や柵なしで見ることができる展示施設も良い印象をもたらします。また、地面の一部が土や草に覆われているのも「自然により近い」という面で重要なポイントになるかもしれません。

そうして、何よりも展示スペースの広さ。大型の動物ほど大きなスペースでのびのびと行動できるようになっているのが理想的だと考えます(この画像左側の土色に見える部分が「アジアゾウ」の展示スペース)。

なお、こちらの動植物園もまだ従来ながらの展示施設が残っており、日光の当たる場所で展示されている「フェネック」や「サーバル」などは格子越しに観察することとなります。

今回は例を挙げませんでしたが、上記以外に「行動展示」も近代的な動物園の重要な構成要素になると考えます。


最後に、きれいに掃除されたバックヤードの様子。こういう場所もきちんと清掃されているのを見ると、安心して動物たちを観察することができますね。