「RAW現像ソフト」による画像イメージの違い

本ウェブログ管理者はCanonの写真機を使用している関係上、RAWフォーマットで記録した画像を処理する際は、メーカ純正のソフトウェア「Digital Photo Professional 4」(以下、「DPP4」という。)を使用する必要が出てきます。
一方で、各社の写真機に対応したソフトの一例として、Ichikawa Soft Laboratoryの「SILKYPIX Developer Studio」(2020年8月現在、最新のバージョンは10、本ウェブログ管理者は9を使用。以下、「DS9」という。)などが挙げられます。

そこで、DPP4とDS9を用いて、記録した画像をそのまま読みだした(ソフトウェアのパラメータは初期値のまま)ときの画像を比較してみました。
元画像のイメージ

以下、ダイサギの画像をクリック、またはタップすると、RAWファイルを読みだした状態から等倍切り出しした画像(1280x800pixel)が開きます。

Digital Photo Professional 4で開いた画像(等倍切り出し)
こちらが、DPP4で読みだしたときの初期状態。
DPP4では、写真機で設定したパラメータがそのままソフトウェアの初期設定値として使用されます。

SILKYPIX Developer Studio 9で開いた画像(等倍切り出し)
こちらが、DS9で読みだしたときの初期状態。
DS9の場合、「ダイナミックデフォルト」と呼ばれる初期パラメータ自動設定機能が動作し、適用された状態になっています。

両者を比較すると、以下のことがいえると考えます。
・記録現場の色味に近いのは、DPP4のほう(写真機による「色の濃さ」設定が反映されているためと考える)。
・DPP4のほうが、羽根のコントラストが豊かに見える(白飛びを抑制し、陰影を誇張させる設定の「ピクチャースタイル」が効いているのも一因)。
・DS9は相対的にノイズが目立つが、首元のふんわり感や、目元などのシャープ感はDS9のほうが好ましく感じる。

もちろん、両者ともにパラメータを追い込んでいけば、いずれもコントラストと精細感が両立した画像を得られると思いますが、前提条件として、読み込んだだけの状態でこれだけの違いがあるということは認識しておく必要があると思います。

参考までに、写真機で設定していたパラメータを以下に掲載します。
写真機の設定例

また、DPP4で「ピクチャースタイル」を「ユーザ設定」から「スタンダード」に変更した場合の画像も以下に掲載しておきます。
「ピクチャースタイル」の変更で色表現や精細感などに変化をつけられることを考慮すると、「ピクチャースタイル」を駆使して表現の幅を広げたい場合は、必然的にDPP4ベースでの作業が必要になると思います。
Digital Photo Professional 4で開いた画像(スタンダード)(等倍切り出し)

一方で、写真機メーカの純正レンズを使用していない場合、DPP4では周辺光量などの補正をかけることができないため、純正レンズ以外のレンズで記録した画像の光学的な後処理を重視する場合は、DS9(や後継バージョン)を使用する必要があると思います。