CD吸出し地獄からの脱出~2020年4月現在の「PCオーディオの入口」

My PC Audio SEP2018
2018年9月に掲載した上図(新しいタブ・ウィンドウで開きます)ですが、その後いろいろ試しているうちに変更がありましたので、現在の構成に関する記事を更新します。

My PC Audio APR2020
ハードウェアに関する大きな変更点は

  • BDドライブからの接続ケーブルを、電源と信号の2系統に分けられるケーブルに変更
  • バックアップ用として使用しているTS-231+を本図に追加

の2点です。そのうち、USBケーブルは比較的安価で、かつ柔軟性のある「ELSOUND」ブランドのものを選択。USB回路の5V電源も、しばらく有休品となっていた「FIDELIX」ブランドのものを再度引っ張り出してみました。

では、なぜUSBケーブルを変更しようと考えたのか?

試行錯誤している中において、一時期USB用の5V電源を本体供給ではなく、外付け電源からの供給とするために、「FIDELIX」ブランドのUSBノイズフィルタを使用していました。すると、確かに音の明瞭度や帯域の伸びが広がるように感じたのですが、やや音の傾向がハイ寄りになるのが気になっていました。そこで、「フィルタを使用せずに5V電源を別途供給したい」と思ったのが、一つ目の理由。
もう一つが、USBケーブルの引き回しによって音の傾向が変わるということ。ケーブルの曲げくせは言うに及ばず、曲げ半径や接触する床面の材質、面積などで、同じケーブルでも「低域が出ない・逆にうるさい」「音がこもる・逆に高域が刺さる」と音の傾向が変わってしまいます。今回使用したケーブルでも、置き方によって音の傾向が変わるのは変わりませんが、ケーブルに柔軟性があれば、少なくとも曲げくせなどの影響を緩和できると考えたのも、理由の一部です。

個人的な意見ですが、この部分については「BDドライブ側の半分は、敷いたタオル等の上にべったりと置くことで低域を調節する」「PC側もタオルの上に置くが、タオルにシワをつけて点接触ぎみにすることで高域を調節する」ことによってバランスの取れた音の傾向を得られると判断しました。


で、「PCオーディオの入口」になぜバックアップ用のNASが登場するのか?

それは、TS-119で取り込んだWAVEファイルをLANケーブルに2回通すことによって、信号を叩き直す効果を期待したから。

具体的には、
「TS-119へ吸い出したデータを保存」→「TS-119を再起動後、ギガビットLANでTS-231+へファイルをコピー」→「TS-119のネットワークポート速度を100Mbpsに設定後、再起動、およびTS-231+を再起動」→「TS-231+からTS-119へファイルをコピー」→「TS-119を再起動」
という面倒なことを実施しています。ここでポイントとしているのが、

  • TS-119へファイルを戻すときのみ、100Mbpsに変更
  • NASの「File Station」機能を用い、データ収受はNAS同士で行なう

の2点。当該ファイルを収納したフォルダをネットワークドライブとして割り当て、Windows Explorerでファイルコピーすると、鮮度の高い?データ信号が一度PCとスイッチの間を往復してしまい、やや不鮮明な音の傾向になることを確認したため、上記の方式を採用しました。
また、100Mbpsとギガビットの使い分けも、音源吸出し時やファイルコピーの往路、復路でいろいろと組み合わせを試した結果、復路のみ100Mbpsとするのが聴感上もっとも好ましく感じたため、この設定で落ち着きました。
結果、取り込んだWAVEファイルをNAS間で一往復させることにより、音の立ち上がりがより速くなる効果がありました。

なお、WAVEファイルをホスティングサービス上のストレージ間で一往復させることも試してみましたが、信号がインターネットまで出てしまうと経由する機器が多くなるためか、当方の環境では音の帯域が狭くなったり、不鮮明になったりする音の傾向になりました。

ということで、しばらくは「気に入るまで何度もCD吸出しを実行する」をしなくても済みそうです。