電脳盆栽の難しさ

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今まで使用していたPCのUSB関係が不安定になった(認識したりしなかったりを繰り返すことがある)ため、メインボードの交換に踏み切りました。しかし、チップセットの世代が違うと対応するCPUも異なるため、CPUも併せて更新しました。
今回は、CPUを更新したことによる一連の事象について触れてみます。

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今までに自作の経験があれば、ここまでは何も考えずにできるでしょう。また、OSの導入もそんなに問題はないでしょう。

しかし、問題は特定の用途に使用する際に発覚しました。
それは、CPUの冷却能力。

せっかくなので、Core i7-2700KからCore i7-4790Kに更新したわけです。TDPも95Wから88Wに数字上は下がっているので、CPUクーラはそのままで大丈夫と思っていたわけです。ところが、「特定の用途」、実際は動画のエンコード処理(編集動画をMP4形式で書き出し)を行なうと、CPUの温度が最高で摂氏100度に達してしまったのです。それも、5分も経過しないうちに……。

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今まで使用してきたX Dream i117は、比較的厚めの頑丈なフィンがついているタイプなので重宝してきましたが、CPUファンをフル回転にしても放熱が弱い模様。
そこで、CPU付属のものに交換しましたが、同じ処理をすると、やはりCPU温度は摂氏100度に到達。両者ともに、フィンを触ると温まっていましたので、CPUの熱がフィンに伝わっていないということではなさそうです。念のため、何種類かのグリスや、グリスレスの伝熱シートを試しましたが、ファンを交換したわけではないため、結果は変わりません。

それでも、BIOS設定でTurbo BoostをOFFにしたり、OSの電源管理オプションで「CPU使用率上限=99%」にすれば摂氏70度台で収まりますので、その設定で使用するという手もありますが、100%の性能を発揮できない状態では、仕様を満足しているとはいえません。

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そこで、思いきってCPUクーラの交換を決意。現在はサイドフロー式のものが大半ですが、基板上の素子にも風を当てたいので、ダウンフロー効果が得られると思われる、Vortex Plusを選択。既にマシンは組みあがっていますので、バックプレートにねじ止めするタイプではなく、ワンタッチで固定できるというのも選定した理由です。
(実際は、取付座をワンタッチで固定できるだけであり、最後のビス止めとクーラ本体の位置決めに苦労しましたが)

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さっそくこれに交換してから同一のテストを実施。結果、CPUの最高温度は摂氏80度止まりとなりました。つまり、数字の上で摂氏20度分の冷却効果があったことになります。

話は変わりますが、「ダイエットで何kg減った」というコピー。ほとんどの場合、減らし代のある人が挑戦するので、減った量が多くなるわけでして、ちょっとだけ標準体重を上回っている人が同じことをしても、それほどの効果が得られないという場合もあります。

CPUの冷却も同様に、元が異常に高ければ「冷却効果が高い」となりますが、既にそこそこ冷えている環境に同じものを導入しても下がり代は少ないでしょう。なので、今回の結果は、「仕様的に許容できないものが、なんとか許容の上限に留まった」程度に見ていただければと思います。