魔音師を久しぶりに追加召喚してみた

AXF-100Ultra
2017年に一部の「魔音師」PC用電源フィルタ製品を導入した(リンク先を新しいタブ・ウィンドウで開きます)頃に代理店導入されなかった「USB動力源」ことAXF-100Ultra。これを中国から取り寄せて使用してみた第一印象を記載してみます。

発注時期との兼ね合いで、到着までにひと月以上を要したこの製品。PCI Express形状のボードですが、PCI Expressの端子にはパターンが追加されていないので、メインボードのPCI Expressコネクタ実装状況によらず、PCケースの任意の空きスロットに追加することができます。
その代わりに、内部接続用のUSBコネクタが基板上に取り付けられているため、そこから付属のケーブルでメインボード上のUSB3(、またはUSB2)ヘッダに接続する構造になっています。USBを1ポート増設するボードではなく、基板のUSBヘッダを一般的なAメス形状に変換して外に出すためのアダプタと考えるとわかりやすいと思います。

内部のUSBコネクタをメインボードのヘッダに接続して電源を投入すれば、基板に取り付けてあるLEDが点灯しますが、これだけではUSB機器を接続しても認識してくれない場合がほとんどだと思います。
AXF-100Ultra 接続部
基板にはSATA電源コネクタと同じ形状をした電源コネクタが装備されており、ここに電源を供給しないと、USBコネクタの電源ピンに電源が供給されない仕様。どうやら、メインボードからのUSB回路電源は、基板のロジックを動作させるために使用されているようです。
興味深いのは、この状態で外部から5Vの電源を供給すると、ほぼ無瞬断で外部電源供給に切り替わってくれること(逆も同様です)。入手したボードにはUSB充電器と同じ形状の電源が付属していましたが、日本のPSE認証を取得していないので、手元にあるFidelix電源で「代用」しています。

さて、基板の概要がわかったところでSATA電源コネクタにも電源を接続してPCの電源を投入しましたが、全く電源が入らない現象が発生。よく調べてみたら、SATA電源コネクタのはんだ付けにブリッジが存在し、電源とグラウンドが短絡していました。ピッチが狭くはんだ付けのやり直しは難しそうだったので、ブリッジを力業で除去して正常動作に持ち込みました。
AXF-100Ultra はんだ付け状況
「魔音師」系列の産品は確かに効果を感じるものが多い一方、品質がそれなりの場合もある(リンク先を新しいタブ・ウィンドウで開きます)ようなので、神経質な方は注意が必要かもしれません。

その後、外部電源経由で給電しながらエージングをかけて、やっと第一印象を書けるところまでたどり着きました。
・他の「魔音師」産品と同様に、無音の静けさに貢献はしていると思う。
・BDドライブを接続し、音源吸出しをこのUSBポート経由でやると、増設ボードやオンボードUSBコネクタ経由では隠れがちだったバックグラウンドの音も前に出て聞こえるようになった(音が増えたように聞こえた)。ただし、人によっては「うるさくなった」と感じる可能性があるかもしれない。
・付属する外部電源供給用の電源コードは、湯せんなどして線くせをとらないと、外部電源使用時に高域寄りの音の傾向になる。
・USBスピーカを接続した場合でも、聞こえてくる音の情報量に差があるように思える。さらに、内部電源よりも外部電源のほうがより多くの音が聞こえてくるように感じる。
・このUSBコネクタから最大5[A]まで供給できる性能があるようだが、Type Aのコネクタに5[A]も供給して大丈夫なのだろうか?(その程度の電源能力がある、ということを言いたいのかもしれないが)それ以前に、切替用リレーの接点定格は1[A]です。
・PCオーディオの用途で使用する際は、内部接続用のUSBケーブルも適切に固定する必要があります。ただぶら下げているだけの場合、得られる音の傾向に影響(ほとんどの場合、よくない側に変わる)します。

測定器を用いて定量的に測定したわけではないので、以上の印象は「~だと思う」「~と感じる」レベルで記載しました。