「RAW現像ソフト」による画像イメージの違い3

本ウェブログ管理者は、EOS R6で画像を記録する際に「cRAW+JPEG」でRAW画像とJPEG形式の画像を両方記録するようにしています。
コンゴウインコ/Macaw
先日記録した「コンゴウインコ」の画像に偽色の発生が確認されたので、現在使用しているRAW現像ソフトでその画像を読み込んだ場合の結果を比較してみます。

羽根の上にくっきりと表れた偽色は、本ウェブページ掲載用に427×640[px]に縮小した画像にも残ってしまっています。以下、当該部位を等倍切り出ししたもの、および3倍に拡大したものを掲載していきます。

まずは、写真機で記録と同時に生成されたJPEG形式画像。

今回の場合、JPEG形式の画像で偽色が確認されているので、後処理でも除去できない可能性が考えられました。

3倍に拡大すると、羽毛の筋とは違う模様(モアレ)が見えてきます。この模様や偽色は、思ったほど深刻ではないように見えますが、後処理で消すのは難しそうに思えます。

そこで、RAW画像をメーカ純正のDigital Photo Professional 4(以下、「DPP4」という。)で読み込んだ場合の事例。
Digital Photo Professional 4 等倍切り出し
同時記録されたJPEG画像と似たような傾向に見えますが、偽色はやや強めに出ているように見えます。
Digital Photo Professional 4 3倍拡大
それは、3倍拡大してみても同様の印象。ただし、メーカ純正ソフトということで、写真機で同時生成されたJPEG画像との差は比較的小さいように見えます。

次は、SILKYPIX Developer Studio Pro 10(以下、「DS10」という。)で読み込んだ結果。
SILKYPIX Developer Pro 10 等倍切り出し
DPP4の結果と比較して、偽色が広範囲に出てしまっています。
SILKYPIX Developer Pro 10 3倍拡大
3倍に拡大して状態を観察すると、偽色発生エリアに迷路状の幾何学的な模様が発生していることもわかります。
この模様は、「デモザイク精細度」を大きく下げて解像感を抑制しないと消せませんでした。また、「偽色抑制」を大きく上げても、偽色の痕跡は多少残ってしまいました。

そうして、Lightroom Classicで(以下、「LRC」という。)読み込んだ結果。
Lightroom Classic 等倍切り取り
初期状態で、DS10とは違う虹色の模様が広範囲に現れています。
Lightroom Classic 3倍拡大
3倍に拡大すると、写真機で同時生成されたJPEG形式画像と同じような模様が確認できます。
この模様自体は、現像パラメータを変更しても抑制できませんでしたが、偽色自体は「テクスチャ」「ノイズ軽減の『カラー』『ディテール』」を大きく変更することで、それなりに抑制できました。

以下は、比較を容易とするために、等倍に切り出した画像をJPEG、DPP4、DS10、LRCの順に続けて再掲。
同時記録JPEG 等倍切り出し
Digital Photo Professional 4 等倍切り出し
SILKYPIX Developer Pro 10 等倍切り出し
Lightroom Classic 等倍切り取り

以下は、比較を容易とするために、3倍に拡大した画像をJPEG、DPP4、DS10、LRCの順に続けて再掲。
同時記録JPEG 3倍拡大
Digital Photo Professional 4 3倍拡大
SILKYPIX Developer Pro 10 3倍拡大
Lightroom Classic 3倍拡大

この結果より、
・記録時点で偽色が発生した場合、後処理で緩和するのは困難
・偽色を緩和させようとすると、全体の画質を大きく下げる設定にする必要がある
ということで、写真機で記録するときに配慮が必要であることがわかりました。今回の例では、羽に対する合焦度合いをやや減らして、羽毛の筋模様がやや不鮮明となるように記録していれば、偽色等を緩和できたかもしれません。

また、機能の制限に依存するものもありますが、どうしても後処理で対処したい場合は、各ソフトの部分補正機能を試すのも手かもしれません。